−これまでに乗った愛車達−

No.1 昭和62年式 ホンダシビック 3DOOR HB 25R

  

記念すべき初めてのマイカー。3年オチの極上車を高校3年生の卒業間近(平成2年2月)にディーラーの中古車センターで購入。この時の予算が全込みで100万円だったので、車輌だけで出せる金額が約80万円。でも実は本当に欲しかった車はC32ローレル、7thスカイライン、GX71マークU系といったいわゆる「ハイソカー」の1コ前の型(当時)で、ボディが白くて内装がワインレッドの4ドアハードトップ車でした。

こういう車に大学生ふぜいが窓全開で颯爽と乗るのがこの上無く格好良い仕草だと信じて疑わなかったが、確かまだまだ150万〜200万はしており、とても手が届くものではなかった。

そこで考え出した妥協案が、もう一世代古いハイソカー。ちょうど日産系はその世代の車で「これだ」というのが今ひとつ無く(430とかは良かったケド大き過ぎ)、トヨタの方が華のある車が多く存在していた。具体的にはGZ10ソアラ・セリカXX・GX61マークU・クレスタといった車だが、初心者にはでかいとか古いから心配とか言う親の意見もあり(というかお金を出してもらうのであまり無理が言えない状況だった)、じゃあそんなに大きな車じゃなくてもハイソカーの様なスマート感の漂う車は・・・と考えた所プレリュードの名が思い浮かんだ。

これなら低くてスマートだしリトラクタブルのライトも、助手席の女の子の「すご〜い!これってスポーツカー?」という声が聞こえてきそうだ。ついでにサンルーフも付いている!こいつでシートを寝かせて沈んだポジションで乗るのもなかなかいいカナ?と思い、早速めぼしい中古車を見て回ったところ、予算内に収まるのは6年オチ位のいわゆる1800XX(良く黒銀ツートンで見かけたモノ)だった。さすがにあまり艶もなく錆びもでていて、当然若者の乗っていた車ばかりなので距離が多かったり、とにかく相場より安いのを狙っていたのでキレイではなかった。

そんなこんなで色々中古車屋を回っている内にホンダディーラーの中古車屋でプレリュードの隣に並んでいたワンダーシビックを見て「同じくらいの値段でもキレイで、車が生き生きしてるなぁ」と感じてしまった。今回の車購入に当たってはあまり気にしていなかった車だが、中学1年の時の担任が美術の先生で、進路相談の様な時に僕が「車のデザイナーになりたい」と言った所、「じゃあお前はどんな車が好きなんだ」と聞かれ、素直に「ローレルとかマークUです」と答えたら「そんなセンスでは話にならん、この間出たワンダーシビックを見てみろ!今までの感覚ならロングルーフのスタイルなんて言うのは、バンとかの商用車の形だった。それを見事に軽快なスタイルにまとめて、更に頭の部分が広いから居住性も高い。現に自動車では初めてのグッドデザイン賞も受賞したぞ。車のデザインを志すならこういう車に感銘を受けないと駄目だ!」と教わった覚えがある。

そういう言葉を思い出す内に「ワンダーシビックを理解する事はセンスが良いという証なんだ」と勝手に思い込み始め、良く見るとだんだん魅力的に映る様になってしまった。室内もちょうど良いサイズで大勢で乗ってワイワイとドライブしたら楽しそうだな、とか考え出し、もう「早く車に乗りたい!」の気持ちも随分高まっていたので、シビックにて再検討を開始する。

ただしここでも更に予算の関係でホンダ久々のツインカムであったZC搭載のSiは前期型でもちょっと予算的に難しく、結局外観がSiと同じカラードバンパーになっている後期型の25Rにしてしまいました。しかも元々がハイソカー的な趣向から選んでいるためATしか眼中に無く、後々走り屋系の先輩に出会ってからバカにされて後悔する事になる。初めての車選びという事もあり、予算内で程度を重視した安全な車選びに落ち着いてしまった。

しかしながら大学生となり初の大阪での下宿生活、そして念願のカーライフスタートと環境が激変した時期に共にした車なので、思い出はいっぱい!キュインキュイン!というホンダの単車にも似たエンジン音も良かったし、広々とした室内、テーブルの様なダッシュボードもテープとかがいっぱい置けて、明らかに親が乗るような車と違って「僕の車!」という感覚を存分に味わった車でした。