−これまでに乗った愛車達−

No.3 平成5年式 日産ローレル 4DOOR HT RB25DEメダリストV

  

平成7年2月、社会人になってから初のマイカーがC34ローレルだった。C32でローレルという車の魅力にすっかりハマってしまい、結果的にはごく順当な買い換えではあるが、コイツに落ち着くまでには実は多岐に渡って悩んだ。

僕が大学生の頃、芽生えた憧れの図として「就職したらイイ車に乗る」というのがあって、これまでの2台よりも価格的にもターゲットを広げ200万くらいを考えていた。(といっても今時のVIPカーとかの車選びに較べたらかわいいよね!)しかし、これまでの車選びと較べ、決定的に違うのは価格的な許容度よりも、昔からの憧れであったC32を手に入れてしまったので、「コレだ!」という、車種から入る選び方では無く、全く自由な視点で車選びが出来た事だろう。ただしそれは僕の精神的な部分が「自由」になっただけであって、新人サラリーマンとしては、会社の文化に馴染んで行く事も大切だと判断し、やはり社風にも若干影響された車選びとなってしまったのは少々残念な事だった。

C32は最高だったが、距離が大分伸びてきており、また学生時代の思い出と切り分けたいという事もあり、買い換えを検討する。まずはセダン系路線で正常進化的にY31グランツの真っ白なヤツか?もう少し頑張ればシーマもいけるか?それとも今度はスポーツカーでZ32のNAくらいなら手が届きそうだ。などと考えていた。また全く別の方向性で、大学時代に外車好きな先輩も多かったので外車に対してずいぶん興味を持ちだしていた事や、某GTロ○ンという漫画の影響。そして何より大学卒業後、地元名古屋に帰り半年間の就職浪人生活(プー太郎)を送っていた間に読み漁った車の本達によって「更に人と違う車に乗りたい」という気持ちが芽生えた事。そして何より僕と入れ替わりで地元には友達が居ない状態だったので毎日寂しく、芸術系大学の思い出を引きずる様なセンスで車選びをしたかったというのがあり、外車も選択肢として考え出した。(芸術系っていうとチョット外車とか古い車とか好きそうでしょ)

実際に大学の寮の1コ上の先輩で、学生時代AW11のMR2に乗っており、当時まだ珍しかった車高調いれて峠を走っていた人が、卒業後BMWのE30系のM3を購入した。ちょうど大学の4回生の頃DTM(ドイツツーリングカー選手権)が流行りだし、その先輩に初めてビデオを見せてもらった時には「ハコでもって速い!」を地で行くこのレースにムチャクチャ感動した憶えがある。その頃から小さくてホットな心臓を持つ車にも興味が湧いて来たのだった。

その先輩のM3はとても格好良かった!2.3の普通のM3だったが、赤いストライプを貼って、可変リヤスポに交換して、フロントもDTM仕様のカーボン製の「ベロ」みたいなのを付けて2.5エボリューション仕様にしていた。それより何よりロールバーも付けてリヤシートを取っ払って2座にし、運転席はフルバケ、そしてビルシュタインベースのオリジナル車高調も入っており実にコンペティションな格好良さであった。身近な人間が乗っているのを見ると「僕でも買えそうだ」と思えてくる。そして中古車の本で色々調べるとM3は結構高いが同じDTMの雄、メルセデス190の2.3−16が割と手が届きそうな値段で掲載されており「欲しいなぁ〜」なんて真剣に考えてみたが、その頃すでに8年落ちで、未体験の外車、それでいて値段は200万オーバーというのに、やはり勇気が持てずあきらめてしまった。

ドイツ車はもともと日本で人気があるため、昔から多少の知識はあったが、DTMと漫画で知ったアルファロメオの新鮮な魅力にも随分はまってしまった。(これは今でも)そこから派生して色々本を読んでいると、イタ車全般が好きになってきた。アルファの155は当時現行で、買えるはずもなかったが、ランチアに目を向けるとなかなかシックなジュージアーロデザインの粋な高級車「ランチア・テーマ」があった。コイツはV6の3.0(アルファ164と一緒!)と直4の2.0ツインカムターボ(デルタと一緒!)がメインで新し目の中古でも200万円前後で狙えた。しかもトップレンジではフェラーリのV8を積んだ「テーマ8.32」というイカしたモデルもあった。当時マツダのオートザム系で売っており、割と手頃に見に行けたので、ちょくちょく見に行って試乗なんかもしてみた。結構真剣に欲しいと思ったものだった。

そんなこんなで車の事を考える反面、社会人1年生の僕は学生時代と打って変わり、激しく上司に連れ回され、毎日来る日も来る日も厳しく指導・教育されていた。かなり固い会社で、自分の車で営業へ出る事もあり、せっかく学生時代に培った外車への食指ではあるが、「まずいかな?」という気になっていた。管理職の車を見渡すと、130クラウンやGX81・90マークUが各グレード・各色揃っていた。「さすが名古屋、さすがサラリーマン、ソツ無い車ばっかりだ・・・」と失望していたが、車の事より、正直自分の事で手一杯で「車に手間暇かけてられないな・・・」という気持ちにもなってしまっていた。

←買った直後のノーマルな姿。ヨーロピアンにいじる事を前提にこのカラーを選んだ。

それで、壊れなくて、通勤が楽で少しひねくれて個性を出せそうな車は・・・というと、やはりローレルにたどり着いた。それもスマートで今でも人気があるC33では無くて、昔からの「ローレル」って感じがするC34にする事にした。中古とは言え2年落ちで、ほとんど新車みたいなものだったし、また僕にとっては初の現行車だったので気持ちよく乗る事が出来たのも確かだった。一応コイツはバブル期に開発されており、日産も景気が良かった時代なので、デザインするためにも1ヶ月くらいミラノのホテルに泊まって、豊かな気持ちでデザインされたという。高級車をデザインするためには、高級な生活をしなければ出来ない、という論法だ。そういわれるとコイツの地味ながら内装・外観の豊かな質感は「ランチア・テーマ」に似ていると思う。でもC33も僕的にはマセラティのビトゥルボ系のパクりかな?という気がしている。スマートでクーペっぽい小柄なスタイルながらもアクの強い鼻っ柱、贅沢な本物の木目や皮を使った内装、針時計などがそんな気にさせる。本当はC33でもよかったのだが、人気があったため値下がり率が低く、チョット新しめの程度が良いヤツを探すとC34が買えてしまうのだった。直属の上司がGX90のクレスタに17インチを入れて乗っていた事もあって、僕もやっぱり現行型のローレルで対抗だ!と思ってしまった。ともかく僕は時代が変わっても対マークUへ攻撃を続ける事になってしまった。

ローレルを買ったからには、またまたJZX90連合より格好良くする義務感に燃えてしまった。そこで先にお話しした「外車への思い」から、「ヨーロピアン」なセンスでいじって行く事にした。(当然買う前から、いじったら絶対格好良くなるとシミュレーションした上でC34を選んだのだが・・・)

←これが途中経過。だいぶローレルっぽく無くなってきたでしょ!

で、読む本はafのザ・ステージがメインになり、もっぱらいじっていく上での参考資料はスペシャルカーズなどといった、メルセデス・BMWなどの本当のチューナー系の本になっていた。afで人がやっている事を参考にしていたのでは二番煎じなので、モノホンチューナーの新作などをいち早くキャッチして色んなパーツを自作していた。C32同様、C34も今でこそドリ車系で多少人気が出てきたので、パーツが増えてはきているが、この頃はやはり皆無に等しかった。それで自作を多用しており、それが楽しかったのだが、残念ながら学生時代と違っていかんせん時間が無かった。 

    ←これが最終進化版。一応「MK−motorsporta仕様」

純正フルエアロにnavanのZ32用リアスポ、そして自作追加スポイラーに自作メッシュグリルと自作アイライン。などなど小技がいっぱい!

←どうです、この顔!ちょっとローレルに見えないでしょ!

この車は色々いじってる割には猫かわいがりする事なく、仕事に遊びに大活躍してくれた!壊れる様な不安は全くないので、全国津々浦々ドライブ&旅行したし、スキーにもよく行った。だいぶ車高が低かったのでよく田舎道をドライブした時なんかに腹も擦った!この車に乗っている間の平成9年5月に結婚もした。車としても楽しませてくれたし、車を使って何かをする、という観点でも楽しませてくれた車であった。