いざ購入へ!−

 

いい加減、嫁さんにも「いつになったら電話するの?」なんて言われ出した。覚悟を決めて、結局茨城は遠いので大阪のジャパンに狙いを定めて受話器を持つ。「結構長い事悩んだので、売れちゃってないかな?」などと想像を巡らせダイヤルを押した。トゥルルルル・・・ガチャッ「本の個人売買コーナーを見てお電話させて頂いたですが・・・まだ売れてませんか?」と尋ねると「あ〜ごめんなさい、もう売れてしまいました」とのご返事。がっくり。「そうですか、どうもすみませんでした」と受話器を置く。すると一回電話をかけた事により意味不明な勇気がみなぎり始め、もう頭の中は「ジャパンを手に入れたい!」という思いでいっぱいになり、金額の事や遠い事も気にせずに、自然に指が例の大阪のジャパンの隣に掲載されていた茨城の70万円のジャパンの持ち主の所へダイヤルしていた。「こっちも売れちゃってないかな?」などと考えながら、トゥルルルル・・・ガチャッ「本の個人売買コーナーを見てお電話させて頂いたですが・・・まだ売れてませんか?」と尋ねると「あっ、まだありますよ」とのご返事。「本当ですか!」その後状態について色々伺うと「本当に程度が良いですから是非一度見て下さい」との事。この電話をした日は2連休の初日の夜で時間は10:00頃だった。何も考えずに「今から出れば明日の午前中には着きますね」と思わず言ってしまった!それを聞いていた嫁さんもびっくり!しかし言ってしまったからには行くしかない。早速1時間くらいで支度をしてY32に乗り込み出発した。

東名名古屋I・Cから高速に乗り、滅多に行かない東京へ、オーナーさんの住まいは茨城県水海道市という所だったが、待ち合わせしやすい場所と言うことで、常磐自動車道の谷和原I・Cを降りてすぐの所へ行く事になった。ここは電車ではあるが、以前仕事で2度ほど行った事がある所だったので何となく馴染みのある地名だった。道中S・Aで仮眠しながら6〜7時間かけて現地へ到着!早速携帯電話で連絡する。オーナーさんはこの日午前中だけ仕事をしてから来られるとの事でしたので、I・Cを降りてすぐのファミレスの駐車場で少々待つ事に。嫁さんと車の中で待っていると「ヴォン!ボボボボ・・・」低いエギゾーストノートが響いた。「来た!来た!来た!」シルバーのジャパンだ!パッと見は、すっごいキレイだが・・・早く近くで見たい!

「はじめまして」とオーナーさんとご挨拶を交わし、そのジャパンの状態についてを教えて頂いた。このオーナーさんは30歳チョイ過ぎの方で2オーナー目だとの事。とはいってもこの方が手に入れてからはまだ1年くらいだそうで、元々は親戚のおじさんが納屋か何かにずっと乗らずに置いてたモノを、「捨てるならちょうだい」といってもらったんだそうです。もらった時点ではフルノーマルだったジャパンをまさしく僕の理想の4ドア像に仕上げて下さった訳です。(僕のためにじゃないけどね!)ところで気になるのがシルバーのボディカラーなのに、内装がベージュ。本当だったら前期は青で後期でもグレーか黒の寒色系なのに?と思っていたらオールペンされたとの事。よく見るとシルバーもちょっと黄味かかっている。オーナーさんの狙いは箱スカ系のシルバーだったそう。実は内装については元々ベージュ系があまり好きではなかったし、旧車系は特に黒っぽい色のイメージがあったのでちょっと残念!

だが、ボディを見渡すと「錆がないじゃん!」あの中古車屋で見た錆び錆びのメッキバンパーやエンジンルームの錆びがウソの様!「こういうジャパンもあるんだぁ」と思ったら妙に嬉しくなってきた。するとオーナーさんから「ちょっと乗って見て下さい。」とのお声がかかった。内装もキレイだ、ダッシュの割れ、欠品、シートの破れも無い。しかもダッツンコンペハンも付いている!

エンジンを掛けるとかなりの重低音。「やっぱりL型はいい音しますねー」な〜んてしゃべったら「マフラー破けてんスよねー」だって。ちょっとこっ恥ずかしい事を言ってしまった!そして嫁さんを横に乗せて、その辺を一週させてもらう事に。ダッツンコンペハンを握り、ギアをローに入れクラッチをミート、久々のミッションだったが結構乗りやすそうな感じ。ウインカーを付けファミレスの駐車場から国道に出る。片側2車線で車がほとんど居ない直線だ。早速全開にしてみる!「ボォォォォォォォ!!」おぉ、6000回転まできっちり回る!なぁんだ結構走るじゃんか!

←念願のジャパンドライビングの図(ホントは購入してからの写真です)

足はラバーソウルのオリジナルショック・サスが入っていて結構固い!フロントウィンドゥ越しにはジャパン独特の長いノーズとフェンダーミラー、少し下に目をやるとずらり並んだ7連メーター、右の方でバキュームメーター(ジャパンではブーストメーターと呼ぶ)がピョコピョコ踊っている!固い足周りによって車もハネる!しかし運転している僕にとっては久々の刺激!「こんな車に乗ったら毎日楽しそうだ・・・」思わず口にしてしまった。嫁さんは口には出さないが「本当にこんなの買うのぉ?」って感じだった。

試乗も終え、お話をしていると「わざわざこんな遠くまで来てもらって、本当に買ってくれるなら値下げしますよ」とおっしゃってくれた。「こんな程度のいいジャパンを・・・本当に?!」という気持ちだったが、なんと「55万円でいいです。」との事。「ええええ!本当ですかぁ!」と思ってすぐにでも返事しそうだったが、車を売る段取りと正式な嫁さんの許可を取らねばならず、「1週間以内に正式にご返事します。」というかっこうにして、帰路についた。