購入のきっかけ−

 

時は更に進んだ平成10年夏、僕はすでに地元名古屋に戻り社会人となり、結婚生活をも送っていた。ちょうど27歳の誕生日を迎え「もう3年で30代かぁ〜」などと考えてしまった。社会人になってから5年ほど経過し、それなりに忙しい日々を送っており大学を卒業してからアッという間に感じていた。車もそつないフルノーマルのY32セドリックに乗って、アタッシュケースを積んで営業にも良く使っていたので、「こんなんで20代終わっていいのかな?」とも思った。折しも周りは高い新車を買う人が多く、僕のY32は型落ちだったので、やっぱりうらやましくも思っていた。そういうのについていくのも疲れるし、車くらいは個性を生かしたいなぁ、というジレンマの日々がしばらく続いた。

そんな頃にふっとジャパンの事を思い出した。「ジャパンなら元々形が好きだし、箱スカ・ケンメリみたいに旧車としての地位を確立してなくて何となくひねくれてるし、それでいて割と安価なはずだ。」と思い早速本屋でNH誌・OT誌・AW誌などの中古車・個人売買を調べてみると、大学生の頃憧れたいわゆる「ジャパンR仕様」は大体100万円前後になっていた。キャブではないヤツは30万円台から結構探せそうな感じだったが、あのエンジンを掛けるのにもちょっと手こずる様な某漫画の仕草にも憧れていたので、やっぱりいじってあるのが良かった。いじってあるといっても年齢的な事も考え、今乗るならやっぱり「現代的旧車仕様?」なモノが良かった。実はヤン車系(当時の街道レーサー系・グラチャン系・福岡仕様etc)も好きなのだが、

←福岡仕様ってこんなヤツの事をいいます。(カーコラです)

例えば普段はきちんと仕事をしつつも休みの日はアルファのジュリアに乗るようなちょっと洒落た感じで、そういうのの日本版感覚でジャパンを乗りこなせたら分別ある大人の格好良さを演出できるかな?と目論んでいた(大げさ)。

これは後々インターネットを通じて出会ったいろんな方のお話を聞いて思ったが、ジャパンは箱スカやケンメリみたいにGT−Rという特別なモデルが無かったおかげで、この乗り方、いじり方が正しい!というモノが無くて、すごく自由に楽しめるスカイラインだと思った。どうしてもGT−Rがあると、それに近づける事が正しいモディファイの姿とされてしまう様な気がする。だからジャパンの場合はノーマルで乗ることはもちろんの事、ヤン車系のいじり方ひとつを取ってもその人の好きな時代に合わせてモディファイする事が許されると思っている。

話がそれてしまったが、セドリックを売ったとすると100万円くらいだったので、多少足が出るかも知れないが、比較的家計に迷惑を掛けずに買うことが出来そうだと思った。当然初めての古い車なので、「維持費は大丈夫かな?」とか「通勤中に止まったらどうしよう?」とかは考えないわけがなかったが、「毎日まじめに働いてるんだ。たまには思い切った事をしてやれ」と言い聞かせて、「L型は丈夫だと言うからエンジンは壊れないだろう」と都合良く考えて何となく購入を検討し始めた。